ジギー・ポップは死んだ

もう死んだ人よ

見ていた人の数だけ真相がある。

アンディ・ウォーホル・ダイアリーズというドキュメンタリーをNetflixで見ていたら出てきた言葉。

ケネディ暗殺みたいにね。見ていた人の数だけ真相があるんだ。って話。

 

小学四年生くらいの頃から。わたしは"図書室にで本を借りる授業"では、いつも漫画の伝記を借りていた。アニオタになってラノベを読み出すまでは。

何故この漫画の伝記に執着してたかというと、活字の読めない子どもだったから。

他の大人びたお友だちはハリー・ポッターとか読んでた時期に、わたしは漫画の伝記を読んでた。

みんなも結構読んでて、人気コンテンツだったんだよね。漫画伝記に群がってるのはわたしと同じ活字アレルギーそうなアホの生徒ばっかりだった。

その本のラインナップの中に、ジョン・F・ケネディの伝記もあったんだな。

彼の生い立ちがどんな風だったか覚えてない。なんならクライマックスしか読んでないんじゃないか。

彼の身体のどの部分が銃弾で貫かれたか、図解がしてあった。それを見たのを覚えたし、衝撃だった。暗殺っていうのが。小学生のわたしにはすごくドラマチックで劇的な死。悲劇に思えたんだな。ジョン・レノンの死も同様に(これは活字の方の伝記で死の記述だけ読みました。わたしはこの時期からもうすでにクイーンオタクだったので)。

 

家に帰って、母にケネディの話をしたと思うんだよね。そしたら、母は昔、暗殺シーンをテレビで放送されているのを見た、と言っていた。母は夫人のことを「脳みそ拾ってた」とわたしに説明した。

わたしはパソコンからYouTubeにアクセスした時、ドキドキしながら『JFK』と検索した。そしたら、まさにその暗殺シーンの動画がヒットしたのだ。

わたしもたしかに、その悲劇の瞬間を見た。

ケネディが夫人にもたれ倒れ、次の瞬間、顔の破片が飛び散り。後部座席へ飛んだ。そして夫人はすぐに腰を上げて、その脳みその破片をかき集めるかのようにもがいた。わたしも、夫人が脳みそを拾ってるのを見た。

どんだけ愛の深い人なのだろうと思った。

脳みそを拾っても、ケネディは蘇生しないのに。破片を大切そうに迅速にかき集めているようにわたしには見えたのだ。

 

 

 

あれから15年ほどが経った今、半年くらい前にも。例の映像を見たんだな。なんでだったか、忘れたけど。

夫人ジャクリーンは、車の後部へと逃げている説、を見た。たしかに。そう言われてみるとあわあわと銃弾から逃げ、パニクってるようにも見えた。

「脳みそ拾ってないかも」とわたしは思った。

しかし母は未だにジャクリーンがケネディの脳みそ拾ったと思っているだろうし、冒頭の『見ていた人の数だけ真相がある』という言葉を借りるなら、あの場にいた人の中にもジャクリーンが脳みそを拾っている姿を認めた者もいただろうし、母のようにテレビの向こう側で見ていた者、わたしのようにパソコン越しに見ていた者にも脳みそを拾っているジャクリーンが脳裏に焼き付くんだよ。

 

 

 

ちなみにもうすぐケネディ大統領のお誕生日でありますね。

何故知ってるかって?

わたしも彼と同じ5月29日生まれだからだよ。