ジギー・ポップは死んだ

もう死んだ人よ

わたしは夢の中で「助けてください」と言った。

 これは夢日記になる。

わたしは高校生だった。一限の授業はテストだった。社会か、何かだったと思う。ノー勉だった割には意外と解けたな、と思っていた。試験監督にN先生が来てくれた。わたしが高校一年生だった時に担任だった先生。担当教科は数学。N先生は黒板に文字を書き始めた。美術の試験問題らしい。『赤、青、黄色のうち2色だけを選び、絵を描くこと』わたしだったら赤青にするな……と思いながら先生の文字を見ていた。先生は『赤』を赤いチョークの文字で書き、『青』を青いチョークの文字で書いた。『黄色』も黄色で。なんだ、次は美術か?と思った。

わたしは確認しようと教室後方の黒板を見に行った。ここにはいつもその日の時間割が書かれていた。わたしはなぜかブランコに乗っていたようで、教室の中のブランコに乗りながら、誰が書いたのか分からない汚い文字を見て、これは美術の『美』か?それとも『理科』と書いているのか??と。わたしは分からなかった。目を凝らして、凝らして。やっとその文字が『理科』だと分かった途端、わたしの足が教室に置いてあった何かに触れてしまい、それがバタンと倒れた。

 その様子を見て、数名の女子生徒が倒れたものを立て直そうと集まってきた。わたしも遅れながらにしてブランコを降りて、倒れたものを立てようとした。ところ、わたしの足の影響ではない。机も乱雑に倒れてしまっていることに気がついた。中学がいっしょだった小柄なHちゃん(この子は同じ高校ではなかった)が、机を起こす。その時わたしは、騒ぎが起こっていることに気がついて廊下に出た。

 すると、廊下ではラックのような何かが粉々になっていた。黒いプラスチックの扉が粉々に。

これはすごい騒ぎになっていて、先生がすぐに飛んできた。何の強化だか分からないけど、よその学年の、確か高校の時に先生だった女の先生だった。

わたしは教室に戻り、すぐにこの騒ぎが爆発であることをクラスのみんなに伝えた。「爆発があったみたい。廊下で」と。この爆発の衝撃はすごくて、自分の身体が揺れるほどだった。

わたしの視界に、M川さんが入った。この爆発の衝撃で、M川さんは酷い怪我をしていた。右腕が血まみれで真っ赤に染まり、止血のために肘をぐるぐる巻きにしていた。「痛い、痛いよ。でもM川頑張るよ」と呟いていた。それを少し離れたところから眺めて、わたしはやれやれ、これは大変なことになったぞと思った。そしてなんだろう、右の脇腹が痛い。たぶん、爆発とは関係ないけど。

 M川さんがわたしの右隣にやってきた。そして声をかけてきた。M川さんは中学生の頃から同じ学校で、中学時代は同じ美術部に所属していたので、話さないこともない。M川さんは大怪我をしているにも関わらず、気丈だった。「大丈夫だよ。痛いけどね」と言いながらわたしに話しかける。わたしの右隣に立つM川さん。

「ごめんね、わたし。爆発とは関係ないんだけど、ここを怪我してたさ」わたしは自分の右の脇腹を指さした。M川さんは、そっか。ごめんねと言ってわたしの元を離れた。左に立ってもらうと、今度はM川さんの大怪我した腕がわたしに当たってしまうかもしれない。そしたらM川さんはすごく痛いはずだ。

 わたしは自分の先に戻ってきた。理科か。相変わらず何も勉強していなかったので、必死に頭の中で何がテストに出るのか予測した。『はかり』の嘆単元が出るかもしれない。と思った。

 わたしは左腕の違和感に気づいた。そして誰のものだろう。カッターシャツが赤く染まっていた。血だ。わたしは慌てて自分の左腕を確認する、そしたら、裂けてた。M川さんの怪我より、もっとひどい。わたしは、叫んだ。と同時に意識を失ったんだろう。意識が引っ張られた。何かの薬物でも飲んだみたいに。蛍光灯の光が、トンボの視界みたいに幾重にも折り重なって、やがてそれが走っているような。移動の感覚になってきた。わたしは安心した。救急隊の人たちが来てくれて、ストレッチャーの上に寝かされているということがわかったのである。まだ意識はひっぱられたまま。しかし女性の看護師に「わたしを救ってください、と言いなさい」と言われた。わたしは声にならない声を振り絞り、「たすけてください」と言った。日頃あんなに死にたいと言っているのに。

 意識が明瞭になってきた。わたしは看護師に知らせた。「今気がつきました」と。

そしてポラロイドカメラで写真を撮られた。ごめんなさいね、そういう決まりだから。と看護師が言うので、わたしは「記念です」と言った。腕裂け記念。

肝心の左腕は、動かしてないけどたぶん、くっついていた。わたしは確認するのが怖かった。テストどうなっただろう、と言う不安も抱いた。

 

 

 

 この『意識を引っ張られる感覚』がとてもリアルで衝撃的な夢だったのでここに記す。

文章では伝わらないのが悔しい。